大原孝治氏は時代の流れを読み解く

大原孝治氏は日本を代表する大手ディスカウントストアの社長をつとめていますが、入社した時は店舗の売り場担当者でした。お客様が求める商品が何かを分析して、いくつ仕入れるかを見極めることが主な仕事でした。もちろん繁雑期にはレジを打つこともありましたし、掃除などの雑用も全て行っていました。当時はバーコードを読むレジが導入されたばかりで、まだ対応していない時にはレジスターで数字を打ち込むことを行っていました。

現在ではバーコードを読み取って、現金支払いの他にクレジットカード支払いができるようになりましたが、少し前から会社独自の電子マネーを導入するようになりました。大手小売店やコンビニなどでも電子マネーはすでに導入されていますが、実際に日本は海外と比べると電子マネー業界の規模が小さいといえます。日本の市場は大きいのに、電子マネーの普及が予想より下回っているのは、現金優位主義という保守的な考え方が残っているのかもしれません。

しかし大原孝治氏は、日本は高齢者社会だけれどこれからは若い世代が担っていかなければならないと考えているので、若い世代向けに電子マネーの導入を決めました。そうしたら想像していたより高齢世代が電子マネーを使いたいと考える人が多く、導入したことで売り上げも実際に上がりました。年齢で分けるのではなく、時代の流れに乗り遅れないように会社もサービスを展開していくことが重要だと実感した出来事でした。

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